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「体の余計な力を抜いて、楽にして目をつむりなさい」
「分かった」
と、霊夢の言葉に返事して体の力を抜き、目をつむる。
すると、霊夢が俺の頭を触った。何か探るように触っていたが、そのまま10秒ほどすると手を離し、もういいわと言ったので目を開ける。
「あなたの能力は、『あらゆる物を断つ事が出来る程度の能力』よ」
「それはまた……凄い力だな」
「あぁ、紅魔館の悪魔の妹並みじゃないか……?」
悪魔の妹……比喩か、それとも本物の悪魔の妹なのか……?
「ああ、あんたは知らないんだったわね。
フランドール・スカーレットって子なんだけど、その子の能力は、『あらゆる物を破壊する程度の能力』なのよ。
スカーレット姉妹は吸血鬼で、力が強いんの。その上、フランは精神的にはまだまだ子供で、無邪気で……
しかも、戦いになると狂気に飲まれてしまうって爆弾付き。
あなたも気を付けなさい?」
戦う時には狂気に飲まれる……所謂バーサーカーに成っちまうわけだ。なるほどなぁ…確かに危険ではある。
「それじゃ、次はスペルカードルールについて説明するわね」
……スペルカード?
「スペルカードって言うのは、簡単に言うと必殺技みたいなものよ。
例えば、こんなのとかね。神霊『夢想封印』」
と、スペルカードと呼んでいたカードを持って霊夢が唱えると、光の玉がいくつも出て正面の木をなぎ倒す。
「凄いな…それに、綺麗だ。」
それを聞き、少し嬉しそうに霊夢が返した。
「でしょう?スペルカードルールは弾幕の美しさを競うものでもあるからね。
ただ、一番大事なルールは、相手を殺さない事。スペカ戦ではね。」
「ただ、さっき言ったフランドールは狂気に飲まれてしまうので手加減をせず、殺しにかかって来る。本人は遊んでる感覚って言うところが質が悪いな」
さっきも言ってたが……
狂気に飲まれてしまう(・・・・・・・)?つまり、
「フランって子は、自分の意志に関わらずに狂気に飲まれるんだな?
自分からそうなるって訳ではなく」
「そうみたいよ?でも、どうしようもないから紅魔館の地下に一人でいるわ。
正確に言うなら閉じ込められている、だけどね」
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