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「おいおい……閉じ込められてるって、話を聞くに、まだ子供みたいなもんなんだろ?」
「ま、精神的にはね。でも、出すわけにはいかないのよ……下手したら、幻想郷が無くなってしまうもの」
「はぁ?破壊出来るったって、全部破壊する事なんか出来るのか?」
「幻想郷に限っては、全てを破壊しなくても、たった一つ破壊するだけで幻想郷は無くなるわ。
それは、博麗大結界。その結界で外の世界と区切っているおかげで幻想郷は存在出来るの。もし、暴走したフランが結界を破壊したら幻想郷は終わり。だから、閉じ込めてるのよ。フランの姉、レミリア・スカーレットがね」
何と言うか……可哀想だな。フランも、妹を閉じ込めなくてはならないレミリアって子も……
暗い空気になった所で、霊夢がパンッと手を叩く。
「暗い話はお終い!さて、空のスペカを5枚あげるから、自分で作ってみなさい。
じゃ、持って来るわね?」
そう言って神社の中に入って行く霊夢。
スペカを作る、か。
「慧音、どうやって作るんだ?スペカって……」
「ん?ああ、空のスペカを持って、イメージを込めるだけだよ。
最近のスペカ戦は、肉弾戦も入って来るから、身体強化系のものがあってもいいん じゃないか?
いや、必要ないかな?」
最後は少し笑いながら言う慧音。
イメージを込めるだけでいいとはな。もう少し難しいのかと思ったんだが……
慧音に説明を聞いていると、霊夢が戻って来た。
「それじゃ、これを使ってスペカを作ってみなさい。
慧音から説明を聞いてたみたいだし、やり方はわかるでしょう?」
「ああ、イメージを込めるんだろ?」
「そうよ」
さて、どんなのを作るか……
……そうだ、能力を使ったスペカにするとイメージが浮かびやすいか?
「これと言って思いつかないなら、防御のスペカでも作ったら?盾とか結界とか」
結界か、それもいいかもな。よし……
「お、何か思い付いたみたいだな。どんな物になるのやら」
「タイミング的に防御系のスペカなのは間違い無いでしょうけどね」
「まぁ、そうだろうな」
「よし、できた……こんな使い方もできるんだな、この能力。
名前は……断符『分断結界』」
「お、結界らしいな」
「へえ、どんな結界なのかしら?
というか、分断も何も結界は元々結界の中と外を分断するものなんだけど?」
結界と見るやいなや、どうでもよさげだった態度を一転させて俺のスペルカードに興味を示す霊夢。
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