能力開花

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「霊夢、スペカを解除してくれるか?」 いい加減目がチカチカして来たからな、と続けると、 「そういえば消してなかったわね」 と言って、大して悪びれもせずに光弾を消す霊夢。まぁ、何とも思ってはいないから構わないが。 元々が俺が頼んだ事だしな。 ふう、やっとこっちも結界を解除出来るな…… ……そうだ、こんな『通るであろう道』なんて概念的なものに干渉出来るなら… 「なぁ慧音、霊夢、紅魔館ってどこにあるんだ?」 「神社の正面の方向に真っ直ぐ行けば着くが……何故そんな事を?まさか……」 「まさか、行こうなんて考えてないわよね? ……死ぬわよ?」 霊夢と慧音は少しばかり険しい表情になり、俺の事を心配してくれている事が、見るだけで分かった。 「幾らお前が強いとは言え、あそこに行くのはあまり認められる事では無いな。 ……そもそも、何故紅魔館に?」 「まだ可能性の段階ではあるが…… もしかすると、フランを助けられるかも知れない。やってみる価値は十分にあると思う。 ……それじゃ、俺は行ってみる。じゃあな、世話になった」 1人で紅魔館に向かって歩き出そうとすると、後ろから慧音の「待て!」と引き止めの言葉が聞こえ、足を止める。 「何だ?」 「私も行こう。やはり心配だからな」 「俺としてはありがたいが…いいのか?危険なんだろ?」 「危険だからこそ、ついて行くんだ。まぁ、助けて貰った礼とでも思ってくれ」 「分かった。よろしく頼む、慧音」 「こちらこそ、よろしく、妖魔」 軽く、だがしっかりと握手を交わし、今度は2人で歩き出した。 目指すは、紅き魔物の住まう館────── 紅魔館。
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