22人が本棚に入れています
本棚に追加
「霊夢、スペカを解除してくれるか?」
いい加減目がチカチカして来たからな、と続けると、
「そういえば消してなかったわね」
と言って、大して悪びれもせずに光弾を消す霊夢。まぁ、何とも思ってはいないから構わないが。
元々が俺が頼んだ事だしな。
ふう、やっとこっちも結界を解除出来るな……
……そうだ、こんな『通るであろう道』なんて概念的なものに干渉出来るなら…
「なぁ慧音、霊夢、紅魔館ってどこにあるんだ?」
「神社の正面の方向に真っ直ぐ行けば着くが……何故そんな事を?まさか……」
「まさか、行こうなんて考えてないわよね?
……死ぬわよ?」
霊夢と慧音は少しばかり険しい表情になり、俺の事を心配してくれている事が、見るだけで分かった。
「幾らお前が強いとは言え、あそこに行くのはあまり認められる事では無いな。
……そもそも、何故紅魔館に?」
「まだ可能性の段階ではあるが……
もしかすると、フランを助けられるかも知れない。やってみる価値は十分にあると思う。
……それじゃ、俺は行ってみる。じゃあな、世話になった」
1人で紅魔館に向かって歩き出そうとすると、後ろから慧音の「待て!」と引き止めの言葉が聞こえ、足を止める。
「何だ?」
「私も行こう。やはり心配だからな」
「俺としてはありがたいが…いいのか?危険なんだろ?」
「危険だからこそ、ついて行くんだ。まぁ、助けて貰った礼とでも思ってくれ」
「分かった。よろしく頼む、慧音」
「こちらこそ、よろしく、妖魔」
軽く、だがしっかりと握手を交わし、今度は2人で歩き出した。
目指すは、紅き魔物の住まう館──────
紅魔館。
最初のコメントを投稿しよう!