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とある山の麓付近、早朝――
当時少年は一歳にも満たず、ダンボールに入れられて放置されていた。
そう、捨てられたのである。
その理由は、この子供の周りで浮いている一匹の霊。これを気味悪がり、親がここに捨てたのだ。
そして、親が居ない事に気づき、泣き始める。それはそうだろう、この年頃はまだ親がいないと駄目なのだから。
いくら泣いても、誰も来ない。それも当然の事、ただでさえ人があまり住んで居ない所な上、今は早朝なのだ。
だが、そんな時一人の老人が現れた。その老人は老人と呼ぶには若々しく、腰に刀を下げて――――
一匹の霊を連れていた。
?
「何故こんな所にこんな赤子が…この様子だと捨てられたか……ん?これは半霊か?!何故この世界で……」
と言って、考え込む老人。
?
「ふむ、何故半人半霊がこの外の世界で生まれたかは分からんが、これも何かの縁……」
やや表情を緩めながらその子供を抱きかかえ、老人は言った。
妖忌
「お前と同じ半人半霊の、この魂魄妖忌がお前を育ててやろう。」
それが、少年と老人、魂魄妖忌との出会いだった。
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