はじめに

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そんな圭と何年か振りの会話を交わしたのは、大学一年の夏だった。 俺が1人暮らしを始めたこともあって、大学に入ってからは近所で顔を合わせることもなくなってたから、一瞬誰だかわかんなかった。 久しぶりに帰ってきた実家で暇をもて余してコンビニで立ち読みしていた俺に話しかけてきたのは意外にも圭のほうだった。 「いつ帰ってきたの?」 「きょ、今日だけど?」 ビックリし過ぎて思わず声が上擦った。 「最近何か変わったことない?」 「えっ?」 「つかれてるよ」 久しぶりの会話がこれ。 やっぱりこいつとは合わねーと苦笑している俺に自分の携帯番号を渡して、コンビニを後にする圭。 何も買わねーのかよ、とその背中にツッコミを入れつつ再び立ち読みを再開した。
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