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さっきの言葉を受け、ますます顔を赤く息が上がり始めたその不良は先手必勝とばかりに拳をトシヤにぶつけた。
トシヤが殴られると予想したボクは思わず両手で目を覆ってしまった。
しかし、ボクの行動に反し全く殴られた時の鈍い音が聞こえてこない。
そっとボクは指の間から様子を見た。
すると、勢いよく殴る不良、そしてそれを全て紙一重にかわすトシヤが目に映った。
何分たったのだろう、一瞬とも一時間ともとれる不思議な時の中に教室が包まれた。
「ボクはキミと戦わない。・・・キミはボクと戦ってるみたいだけど。」
避けながらトシヤの言ったこの言葉が発せられた瞬間、殴りつかれたのか不良は一人膝から崩れ落ちた。
鈍い音が床に響くと同時に、学校中にチャイムが響き木霊した。
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