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どこの学校でも同じだろう。
長々しい校長の睡眠演説とレンや他の生徒たちは戦っていた。
その中に一人凛とした姿勢で校長の話に聞き入る新入生がいた。
トシヤだ。
その眼差しは教室での戦いの時とは全く違い、澄んだ眼をしていた。
レンにとっては苦痛な時間であったが、トシヤにとっては非常に有意義な時間だったようだ。
式も終り今は教室へ向かい、廊下を歩いている。
「ねぇトシヤ、入学式楽しかった?」
「もちろん!結構いい話してくれてたじゃん。聞いてなかったの?」
「うーん・・・なんか催眠術にかけられてる気分で。」
それを聞いたトシヤは廊下に響くほどの笑いをした。
「あはははは、そっかそっか」
「まぁそうなっちゃうよね、俺はいずれこの学校、そしてこのさびれた町を自分の手で変えたいんだ!その為に、今のこの現状をよく知らなければならない。・・・むずかしいよね?簡単に言うと俺さ、この学校で生徒会長になりたいんだ!」
トシヤが真剣に校長の話を聞いていたことの意味をなんとなく理解した。
そして何よりボクはトシヤが、生徒会長になりたいという夢をもっていることに今日一番驚いた。
「え?トシヤ生徒会長になるの??すごい!!」
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