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「くっ……こんな筈では!!」
完全に合体が解け、無惨に地面に転がる三機のマシン。
その一部始終を呆れた表情で見ているハイネケンとゴズメズ。
ハイネケンが口を開く。
「……ヲイ、その……キアイオンとやらのパイロット。お前、一体何をしに来た?」
「ああ、勿論お前を倒しに来たつもりなんだが……」
「いや、それは分かる。それは分かるが、お前、何をやった?」
そのハイネケンの問いに、キリクが叫ぶ。
「強引合体、キアイオン!」
「いや、それは分かった。確かに、それぞれのマシンの頭文字をとって『気合』というのも悪くない!
だが、登場していきなり自滅されたんじゃ、我々の立場ってものが無いだろ!?」
「しかたねぇだろ! マシンは三体でもパイロットが一人しかいねぇんだから!」
「だったら無理やり合体しないで、一号機だけで戦った方がまだマシだろ!」
「キアイオンッ!!」
「それはもういい! 大体だな、マシンは三機でもパイロットが一人しかいないというその現状がおかしい!
普通こういう場合、『三人の力を合わせるのだ!』とか、『こうなったら最後の手段だ、アレやるぞ!』と叫んでから、カッコよく合体するのが普通だろうに。
だが、お前の『合体』と言うのは何だ! 無理やり三号機使って次々と追突しているだけだろうが!」
「それがキアイオン!」
「うるさいっ! 大体、何で一人で出撃した!?」
「ああ、例え一人でも、気合があれば何とかなるだろ!」
「違う。それ違う。気合だけで何とかなったら、今頃浜□京子は世界最強だろうが!」
「……って、お前宇宙人のはずなのに、何故浜□親子知ってるんだ!?」
「そんな事は今はどうでもいいだろ!!
兎も角、もう戦う気が失せた。今日はもう引くから、次こそはパイロットを三人集めてから挑んで来い! さらばだ!」
そういい残し、ハイネケンは『カイザーシュバルツ』に乗り込み、ゴズメズを引き連れて天空へと去った。
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