ある冬の日

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退屈な授業が終わり、西鉄電車で天神まで帰る。 流れる見慣れた景色を横目にしながら、プレゼントについてあれこれ討論。 福岡駅に着くと、大丸、ソラリア、その他のショッピングビルをまわり、由紀子ちゃんが納得するプレゼントがやっと購入でき、その後はまたグッチに関する話をしながら天神地下街をブラブラしてた。 『でもさぁ、グッチってホントにカッコいいの? 毎回言うけど、軽そう感じがするし、ただ由紀子ちゃんの好みってだけじゃない?』 『いやいや、ホントだって。 っていうか、うちのバイトの男の子って本当にイケメン多いんだよ! ゆみちゃんの好きなタイプもいるかもよ(笑)』 私のタイプかぁ…自分でもよくわからないんだけどなぁ。 興味半分、期待半分で答える私。 『マジで!? でも、私、彼氏がいるから関係ないかぁ(笑)』 そう、私には勇ちゃんという2歳上の彼氏がいる。 お坊ちゃん大学で、頭も良く、将来性…たぶんアリ。たぶんって言うのは、今でもプレゼントや食事代は彼の実家から仕送りされるお金でお支払い…お金持ちだからそれが当たり前なのか、すねかじりの、ただのボンボンかよくわかんない。 数ヵ月前に別れ話をしたけど、結局納得してもらえずズルズルと続いていた。 『まぁ、とりあえず喉も渇いたし、私のバイト先はすぐそこだから行ってみようよ。』 イケメンって部分は本当に人それぞれの感覚だからあまり期待はしないで、グッチとやらがどんな人か見に行くことにした。
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