ある冬の日

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私は不細工ではないと思う。 たぶんね。 中学の頃、クラスで行ったアンケートで『かわいい子ベスト3』に入ったし…。 高校の時も学祭の時に写真を一緒に撮ってくれって申し出もそれなりにあったし、呼び出されてコクられたこともそれなりにあったし…。 うん、たぶん不細工ではない!…でも、お母さんは私を不細工っていうなぁ…。 いやいや、ポジティブシンキングで! 昔の思い出を引っ張りだして、自信を持とうとしたけど、 《あんなにカッコいい人と私が万が一の確率で付き合うなんてこと…あり得ない!絶対釣り合わないっ。》 なんてマイナス思考に押されてしまう。 《でも、一生懸命気持ちを伝えたら叶うのかな?》 なんて、無理矢理、前向きに考えたりするけど、彼女いるかもしれないし…次々と不安要素が出てきて堪らなくなる。 今日初めて見た人に…そう、相手は私のことなんて気付いてもいない人なのに、こんなに悩むなんて…。 それに勇ちゃんとの別れ話がまだ上手くいってないから、新しい恋も出来ないもんね。 結局、一瞬(恋したい病)にかかったってことで、気持ちを落ち着かせ、バイト先へ向かった。
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