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特別な人になりたい。
単純にこの世の中で特別な人じゃなくて、ある一人の人にとって特別な存在になりたい。
誰かに特別だと思われたい。
他の人達からして見たら普通の私でも、一人の人だけには特別の存在でありたい。
そう思われたい。
それだけで勝ち組になれる気がする。
長い人生の中でそう思ってくれる人とならどんな難関でもきっと乗り越えていける。
そんな気がする。
うん、きっとそうだ。
絶対そうだ。
うん、そう思う。
多分・・・。
そう思って私の運命の人を待っていたのに、どうしてこうなったんだろう・・・?
「最近さ、人気だよね!」
「すごい!すごい!」
音楽雑誌を広げて騒ぐ2人の友達。
「やっぱ、私はユチョンだな。」
「ね~、ね。カッコいいと思わない?」
広げたままの雑誌を私の目の前に持ってくる一人の友達。
「ふ~ん。」
私は雑誌に目もくれず曖昧に答えたふりをしました。
「この人、絶対タイプでしょう?」
雑誌の中の5人組の一人を指す友達。
どうやら私に興味を持って欲しいようです。
でも私は一切見向きもしませんでした。
「本当に興味ないのね。」
何一つ反応を示さない私を残念がる友達。
「私はただ・・・、その・・・、憎いんだよ。」
私は友達が指した雑誌の一人を顎で指し、睨みながら聞こえるか聞こえないかくらいの大きさの声で言いました。
驚いた表情を浮かべる2人の友達。
「なんで?カッコいいじゃん、チャンミン。」
「とにかく憎い・・・。」
眉間にシワをよせながら2人に鋭い視線を送りました。
私の異様な反応に2人の友達はそのまま彼らの話題を出せなくなってしまいました。そして彼らの話題は消え、3人の間に重い空気が流れました。
私は正直に答えただけなのに、雰囲気を壊してしまった罪悪感で申し訳なくなり、肩身がせまくなった気がしてきました。
私をこうさせたのは全てあいつのせいなのに・・・。
気まずくなった私はその場の空気にたえられずバックを持ち、立ち上がりました。
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