はじまり

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「サッカー部、楽しーぜー!」 「バスケどう?」 「吹奏楽部入らなーい?」 高校入学したての1年生を、先輩たちが部活に誘う。 そんな中俺は、必死に人込みを掻き分けて前へ進もうとする。 「畜生、人多すぎだろっ……」 だけど身長が低い俺は、あっという間に人込みにのまれた。 「うわっ!…………死ぬ…」 前につんのめりこけそうになった、その時、両脇に手を入れられ体がひょいっと浮いた。 「大丈夫か……?」 浮いたまま振り向くと、同じ1年生がいた。背が高めのな。 うらやましいぜ。身長分けろよコノヤロー! あーもう、なんかお父さんに抱き上げられている息子気分だ。 俺の身長の低さは、たまに不便だ。 「おぅ……ありがとうございマス」 俺は、そいつに地面に降ろしてもらい、お礼を言った。
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