はじまり

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にこにこする高津戸。 初めに会った時から思っていたが、人当たりのいいやつだ。 俺も名前を書く。 『園城寺 秋羅』 これが俺の名前。 相変わらず画数多くて、嫌になる名前だ。 「珍しい名字だな。なんて読むんだ……?」 高津戸が聞いてくる。 確かに読みづらい名字だ。 「『えんじょうじ』って読むんだ」 「お前ん家、寺かなんかか?」 「ごく一般的な家だよ」 笑いながら、そう高津戸に言い、高山部長に紙を渡した。 「じゃぁ2人とも中入ってー」 俺と高津戸は、促されるままに中へと入った。
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