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「そうだね、じゃあ、そろそろ始めよっか。」
黒田の口元は不敵な笑みを浮かべていた。
俺はもう何がなんだかわかんなかった。
もちろん恐怖のせいだ。
何も音が聞こえなくなっていた。
いつもならグラウンドで野球部が大きな掛け声を出しながら練習してるはずだ。
吹奏楽部だって練習してるはずだ。
「は、始めるって何を?」
よかった。
自分の声は聞こえた。
目の前の女子に怯えて情けなく震えてる声が。
「大丈夫。ここから突き落としたりしないよ。」
今の黒田が言うと本当にしそうだからそんな言葉で安心できない。
そしてそのまま黒田が続ける。
「1つ質問するね?本城くんは私のこと覚えてるかな?」
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