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なんだ?
何を言っている?
こんな質問答えは簡単だ。
「いや、覚えてるも何もお前、今日転校してきたばっかりだろ。」
「そう…。やっぱりわかんないか。じゃあ、これならどうかな?」
そう言うと黒田は制服の上を脱ぎ始めた。
「お、おい。なにしてんだよ!やめろって。」
黒田は俺の制止を聞かずに制服を脱ぎ捨てる。
黒田は上半身は下着だけで、下半身にスカートという姿になった。
恥ずかしがる様子は全くない。
そして腰まである長い髪を右手でたくし上げ、俺に背中を向けた。
「これでも私が誰かわからない?」
その背中は白くて突き飛ばしたらもう立てなくなるのではないのかというほど華奢な背中だった。
その背中には一筋、右肩から背中の中央にかけて、その弱々しい印象とは不釣り合いな切り傷のような物が走っていた。
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