【Ⅰ】転校生

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その日は夏休みが終わって始業式の日だった。 俺がいつも通り教室に入るとやたらと教室がざわついていた。 皆、何かを楽しみにしているようだ。 俺には皆が何の話で盛り上がっているのか分からない。 後から入ってきた俺は完全に蚊帳の外だった。 俺はそんな雰囲気を特に不快に感じることはなかった。 そうして俺は窓側の自分の席に向かってく。 すると、俺の後ろの席の安齋瑞穂(あんざいみずほ)が俺に気付いて急かすように手招きしていた。 「おはよ。みんなどうしたの?今日なんかあったっけ?」 一応訊いてみた。 「あ、やっぱり本城くん知らないんだぁ。…知りたい?」 そんなこと言われたら気になるに決まっている。 「まぁ、俺だけ何があるのか知らねーってのもな。」
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