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高校生になって初めての夏。
私は…
体育倉庫にいた。
「お、俺と付き合ってくださ「ごめんなさい」
私、高橋沙月(タカハシサツキ)は…
告白をされていた。
心底めんどい。
高校生になってから何人目だろうか。
告白してきた相手はサッカー部のキャプテン。(先輩だったはず)
面識無いのによく告白出来たな。
「え、あ、」
先輩も振られると思っていなかったのかびっくりしている。
どんだけ自信あったんだ…気持ち悪い。
「私、誰とも付き合う気無いんで」
「あ、そう…」
お!諦めのいい人でよかった…
前の奴しつこかったからなぁ。
呑気な事を考えているといきなり肩を掴まれた。
「!?」
これは予想してなかった…
「じゃあキスだけさせてくんない?」
「…は?」
頭大丈夫?って言ってやりたかったがさすがに言えなかった。
「いいじゃん。俺顔いいから自慢出来るよ?」
「いや、いいです」
「そう言わずにー♪」
「い、いや!」
汚らわしい男の顔が近づいて来る。
あ、もう駄目だ。
意を決した時…
「誰かいるんですか?」
誰かが来た。
助かった…
先輩が舌打ちしてどっかに行った。
「ありがとうございます」
「何故お礼を?」
助けてくれた相手ははてなマークを頭に浮かべた。
酒井陸斗(サカイリクト)
担任だ。
長身で細いモデル体系で黒髪に黒縁眼鏡。
女子に人気の先生だ。(私は違うけど)
「しつこかったので」
「あー…なるほど」
状況を把握したのか頷いていた。
「じゃ、私はこれで…「待ってください」
何か用かな?と思って振り返った。
まさかこんなことになるとは…
「高橋さん。僕は貴女が好きです」
「…」
ん?何て言った?
すき?
スキ?
好き?
「はぁぁぁぁぁぁ!?」
わたしの叫び声にびっくりしたのか少しびくっとなっていた。
「そんなに驚かなくても」
「驚くわ!!何言ってるんですか!?」
「だから僕は貴女が好きなんです」
「それは分かりましたよ!何考えてるんですか!?先生と生徒ですよ!?」
「分かってます。けど抑えられないんです」
真剣な目で見られた。
やっぱかっこいいなぁ…
って違う違う。
「私は「返事はいつでもいいので考えといてください」
そう言って体育倉庫を出て行った。
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