ビター・オレンジ

「んで、トッポは買い出し当番やろ。マックに運転頼んで付き合ってもろてた。」
「…」
黙って聞きながらも、ちらりとこちらを伺う目に剣呑さが宿る。

…ばれてるわな。
先にイジワルしたのはこっちやけど…。ジャッキー、怖いて。
心の中でだけそっと嘆息して、最も求められているはずの答えを、おずおずと差し出した。

「…ジョニーも買い出しやで。」
「…ふん。」
「ジャッキー、THE EIGHTの新しいメニュー試したいて言うてたやろ？材料見てきたるって。」
「さよか。」
「だいじょーぶ、すっきりした顔してたで。」
「…聞いてへんわ。」

しまった、言い過ぎたか。
不機嫌さをさらに色濃くして、もそもそとクッションの枕に逆戻ってしまうジャッキー。
意地っ張りなところも昔通りだ。