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「感じる…。」
左足が境界線を越える。今までここに踏み入れてきた勇者と咎人の生きざまが!!
「さっさとこっちに来なさーいぃ?」
「はい渚先生!」
妄想に浸ることさえ許されないのか!?
僕は渚先生に呼ばれ職員室の窓側の先生の机の前の椅子に座った。
僕の目の前には脚を組み、いかにも質の悪い社長みたいな渚先生。
いや…絶対領域がやばいって!
「それではなんで永瀬ちゃんが自主的に職員室来たのか教えてぇ?」
少し前屈みになりながら、僕に詰問する先生。
うぅ…全く嬉しくなんてないんだぞ!な、なにやってるんだこの美しい先生は!?って美しい!!?ついに僕も可笑しくなってきたか!?
「早く教えてぇ?」
先程の阿修羅みたいな人だった先生はどっかにいってしまったのか?もう可愛らしい声で僕を尋問する先生。
もう…堪えられない!!なんでも答えちゃうぅぅうう!!
「クラス分けの紙に僕の名前が書いて無くてですね、でももうそんなことどうでもいい。先生…僕は」
先生の手を手を伸ばす。
「なぁがぁせぇぇええ!!!」
静かに且つその怒りを確実にのせた声が、いや心の声が僕の耳に届いた。
僕は冷静になって辺りを見渡す。
すると、職員室にいる先生方がこちらを凝視しながら睨んでいた。
こ、こえぇぇええよ!
生徒に向ける目じゃねぇ!
はぁ。職員室出たら襲われそうだなぁ。確実に。
「僕はぁ?なにぃ?」
先生は上目遣いをしながら僕を見る。
「あのやろぉお!」「授業中背後には気を付けとけよ!」「俺にもあんな目しないのにぃい!永瀬のやろぉ!」「絶対半殺し!半殺し!!半殺しぃぃいいい!!!」
もうこの学校やだぁ。
改めて思う僕だった。
しっかしここまであいつの言う通りになるとわなぁ。
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