手紙

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床に無惨に砕け散る器の破片と、それに埋もれるハンバーグを見て、私は悲鳴をあげた。 勢いよく首を後ろに向け、台所に置いてあるハズのちり取りと箒を探す。 台所の下に隠れるように置いてあったソレをふんだくると、砕け散る器の破片とハンバーグの上に置く。 カタッ…コッ… 『ーー…』 ちり取りに入れようとした刹那、また聞こえた音に、私はため息混じりに音のした方を見た。 最初は何もないと思ったが、目を凝らすうちに、庭側の窓が少し開いている事に気づいた。 その窓から、少し風が入り込み、カーテンを揺らしている。 『珍しーお母さん閉め忘れてる』 いったん箒を台所の戸棚に置き、私は窓の方へと歩き始めた。 パタンと窓を閉め、鍵をかける。 そして鍵をかけた私は、自分のいる薄暗いこの状況がいけないんだとハッとした。 それで小さな音にビクつくんだと。 『電気…』 呟いた瞬間、バッとリビングのガラス張りのドアの方に目をやった。 ドアの隣の壁に埋め込まれるようにして付いている4つの凸凹の板を見る。 だけど、そのスイッチを押そうとドアの方に歩こうとはしなかった。 スイッチを見ていた私の視線は少しずつドアの方にズレていく。
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