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『その整形顔元に戻してやるよ!!』
クラブを振り上げ、私は金色の瞳の男に向かって走る。
私が今勇気を出さないと、私がやられる。
無表情で向かってくる私を見る金色の瞳の男の顔目掛け、振り上げたクラブを落とした。
パシッ
『!』
『俺に攻撃をするという事がどういう事かわかっているのか?』
だが振り落とした私のクラブは、男にいとも簡単に止められてしまう。
しかも片手で。
呆然と私が固まって動きを止めていると、左頬に鈍い痛みが走った。
『っ!!』
顔が左側によろけ、そのまま私は床に倒れ込む。
『気品というものを微塵も感じさせんな。
野蛮な女め。身分をわきまえろ』
何が起こったかわからず、目を丸くしていた私は、金色の瞳の男の振り上がる手を見て、殴られたんだと理解した。
女を殴るという信じられなさと、初めて殴られた事によるショックと恐怖で、私は目を丸くしたまま。
『立て』
床に倒れ込んだ私の服を掴み上げ、金色の瞳の男は私を立たせた。
呆然と立ち尽くす私に
『動くなよ』
と言い、目の前に手を翳す。
私は訝しげに男を見つめ、目の前に翳してある男の手を見る。
『……ィ…』
『……?』
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