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『!! んァっ…!』
『抜いてやろうか』
舌を掴み出された事による吐き気に目を細めながら、金色の瞳の男の言葉に顔を真っ青にさせた。
掴み上げられ、ビクともしない顔を、必死に横に振る。
金色の瞳の男は、その私の様子を見下したように見つめ、私の舌から指を離した。
『冗談だ』
金色の瞳の男は、恐怖のあまり未だ口を開け声を押し殺し震えている私を見てクスクスと笑いながら、持っていた鍵を牢屋の鍵穴へと差し込む。
ギィ…ィイイ
油をさしていないのか、耳障りな金属音が響き渡り、私を不快にさせた。
『出ろ』
私は金色の瞳の男に掴まれ、引きずられるようにして牢屋から出る。
『くすくす…』
『……』
金色の瞳の男の笑う声に、思わず背筋が凍りつく。
恐る恐る金色の瞳の男を見上げてみると、男は金色に輝くその冷たい瞳で、私を見下ろしていた。
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