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目元が痙攣をおこし、引きつる。
私はそのまま下を向いた。
『何だ』
が、
金色の瞳の男は、発する言葉と同じタイミングで下を向いた私の頬を掴み、上を向かせた。
男の無理矢理のその行動に首を激しく痛めた私は小さく唸る。
『な、んでも…ないです』
聞き取れるか取れないかのか細い声。
金色の瞳の男は表情のない顔を私に近づけ、私の目を見た。
鼻と鼻とがくっつきそうな程の眼前。
『いいか、小娘』
金色の瞳の男は、唸るような、低い声で、囁く。
『こんな薄暗い所にいたくないのなら、何も言わずに、考えずに、俺様が今から案内する部屋にいることだ』
ここにいたいのなら話は別だが。
金色の瞳の男はそう言って、不適に微笑むと、
私が何も口にできず、震えているのを見ながら、私から顔を離し、ドアの方に体を反転させた。
『ついてこい』
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