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牢屋の部屋を抜けて、扉を開けた向こうには、中世にトリップしたかのような目を丸くする光景。
その豪華な出で立ちに、思わず見入ってしまう程。
まさしくそこは城だった。
コツ… コツ…
コツ… コツ…
金色の瞳の男は、綺麗に掃除され、埃一つない長い廊下を慣れた足取りで進んでいく。
天井のシャンデリアや、壁に掛けられた絵画。
廊下の横に間隔的に置いてある、とても高価そうな像、装飾品。
その中を歩く金色の瞳の男の後ろ姿は、とても様になっていた。
廊下を進む度に次々と現れる扉。
新たな空間。
歩き始めた最初は目を輝かせていたが、先に終わりの見えない廊下に、私は口を下げた。
どこまで続くのだろうか。
私は目を瞑り、金色の瞳の男に気づかれないように小さく息をつく。
男が背を向けているからと逃げてみても、こんな長い廊下じゃ、到底やり過ごせない。
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