3人の王

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アベルと呼ばれた銀色の耳の男がピクッと耳を動かし、金色の瞳の男を食い入るように見据える。 『と、いいますと?』 『鋭い爪もなければ牙もない。魔力さえ感じない。そこら辺にいるメイドの二角人よりも質が悪い』 『…ほう。それは…』 『やはり人間ということだ。役に立ちそうもない』 金色の瞳の男の声に、アベルは考えるような仕草で唸ると、口を開いた。 『だが、救世主であるには違いないのでしょう?』 『そうだが…』 『ここで話し合っていても始まらない。もしかしたら凄い力を秘めているのかもしれないし、』 アベルの声を聞いて、金色の瞳の男は大きくため息をつく。 『そうだな…』 『信じるしかないでしょう』 そう言ってアベルは金色の瞳の男に微笑みかけ、高い天井を見上げた。 『何してる、カイン』
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