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全身に走る寒さで、目を覚ました。
薄暗く、カーテンの隙間から入る月の光りを寝ぼけ眼で見つめる。
いつの間にか掛けられていた毛布が、起き上がると下にスルスルと滑り落ち、と同時に、腹がなった。
どうやら手紙を放り投げてソファーに寝転がったあの後、そのまま眠ってしまったらしい。
全身に走る寒さ。
夕食をとっていない為の空腹。
肩をさすり、私はソファーから立ち上がった。
制服の短い丈のスカートが、両足に鳥肌を立たせる。
『……』
寝ぼけ眼のまま、私は台所まで歩くと、冷蔵庫を開けた。
中には、夕食に出たであろうハンバーグと味噌汁が、器に入れられ置いてあった。
腹が鳴るのをさすって誤魔化しながら、これを食べようと決断する。
ハンバーグの入った器に手を伸ばす。
カタン…
が、静まり返る中、後ろから聞こえたその音に、ビクッと肩を震わせ、持っていた器を床に落としてしまった。
『あっ!!』
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