第一話「獣、始動する」

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 正確に言えば、僕達人類の獣化は副産物に過ぎない。  NASAとか世界のお偉いさん方(獣)の会議で分かった事は僕が獣に成った日、その日の早朝に何処かの山に隕石が落ちたらしい。  別に、驚く程大きい隕石ではなかった。重要なのはその隕石の性質。  僕はリビングに向かい、テレビをつけた。丁度、それに関するニュースが放送されている時間だからだ。 『―――依然として、地球上の地軸が解析不能の磁波により不安定な状況下に―――。私達、人間の明日は一体どうなr』  …この通りである。  何でも、隕石を中心に強力な磁波らしきものが展開されていて、それが人体に作用するとかなんとか……  それが人類の獣化の理由。 「全く問題無いから良いんだけどね。可愛いしっ」  だからといって「はいそうですか」って訳にも行かないでしょ?  その内、何か起こるかもしれないし、それ以前にこの獣化は幾つかの難点があるからね。  それは――― 「遅いよっ!お腹すいたっ!ごはんごはんご~は~ん~っ!」  ――と、その前にいつから居たのか分からないがお腹をすかした狐娘がリビングでジタバタしていました。  あれだね、油揚げでもくれてやろうかな。好物だと思うし。
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