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「―――という入り方の小説でどうかな?」
至って普通で健全な力作を綴った原稿を突き出しながら向かいの人物に聞いてみる。
「分かった分かった。お前が如何に変態で阿呆で馬鹿でクソなカスでクズなのかがな」
この毒舌でイケメンの名は高梨紀一(たかなし きいち)。
「サラっと酷い事言うねっ!?僕との友情は何処へ!?」
「消えて無くなった」
うぅ……シクシク泣
毒舌のマシンガンにやられているのは僕、如月奈那(きさらぎ なな)。
見た目がクラスの女子より女の子しているという残念過ぎる変態だ。
紀一の毒舌に全弾命中させられて机に突っ伏しているとドアが乱暴に開けられ、女子数名が勢い良く降臨する。
その先頭に君臨している幼なじみの咲羅理沙(さくら りさ)が僕の目の前まで来た。
見た目は金髪の美少女なのにゴリラみたいに進み、ゴリラみたいに見つめ、ゴリラみたいなゴリラ。……何て事を本人の前で言えば、その晩のシチューの具に成りかねないから言わない。いや、言えない。
「これ、受け取りなさいっ!!」
このツンデレ臭ぷんぷんな台詞の通り周りからは「魔性のツンデレ」とか言われてるが、僕は分かる。
長年一緒にいたから分かる。理沙にはデレが無い!!
理沙に限ってデレ期がきたら、デレ期と共に氷河期が来るくらいにデレは無い。
あ、因みに今は学校に居ます。
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