始まりの章

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 ツンデレ云々を置いておき、理沙は容姿だけは良いからな。僕からすれば性格を治せばもっと人気に成ると思う。 「早く見てやれよ、のろま」  僕が考え込んでるのを見かねた紀一が急かしつつ、毒を吐く。お前の暴言は金を払いたくなる程に清々しいなっ!この野郎ぉ!  心の中で悪態を吐きながらもラブレター宜しく、デスレターの封を切る。  なになに………… 「放課後      屋上で待つ。            理沙 」 「お前は僕に喧嘩を売ってるのかぁぁ――――――――!!!!」  両手を上げて憤怒する姿はたいそう可愛いかったらしい。  因みに、紀一がぼそっと「喧嘩を売ってるんだろ、カス」と言っていた。  時は過ぎ、放課後。  重い足取りで向かう先は屋上。何だかんだ言いながらも、長い付き合いだ。何か理由があって呼び出したのだろう。……本当に喧嘩なら帰る!  錆びた取っ手を握りしめ、ギギギと開けた。
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