始まりの章

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 開けたその先には―――誰も居ない。見えるのはフェンス越しの町並み。商店街やカラオケ、ゲームセンター。服屋、アクセサリーsy…って違う違う!  僕が見つけなければいけないのは理沙であって、町並みじゃない。  右を見て左を見る、が居ない。まさか!と思い上を見ると居た。  屋上に上がる階段の所って小屋っぽいよね。そこの上に腕組みをしながら立ってました。厨ニですねわかります。  僕の真上に居るものだから水色縞々という秘部を隠すための布が見えました。僕は悪くない。 「フンっ!随分と遅かったわね」  幼なじみだから分かる。是は「遅かったね、何かあったぁ?」とでも変換すれば良いのだろう。まぁそんな事は有り得ないんだけどね? 「お陰様で、こっちは緊張とか罵倒とか色々あって胃がキリキリしてるんだよ……」  罵倒は紀一だけどな! 「そんな事よりも、大事な事が有って呼び出したの」  理沙が言った瞬間、風が吹く。  僕は黙って聞いていた。
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