始まりの章

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 その他にも驚く点が幾つか有った。  まず、尻尾。理沙の身長と殆ど同じ大きさの尻尾が二本生えている。  次に理沙の纏うオーラというか雰囲気が変わった。何というか、大人しくなった感じがする。 「ま、そんな時もアルヨネー」  半分以上投げ遣りだ。いきなり幼なじみが狐娘に成るなんて小説だけの話しでいいんだよ。  是が嘘の可能性だって有るし。 「ふぇぇ、待ってよぉ!信じて、本当だからー!」  懇願する幼なじみ。そして、本当に性格が変わったんだけど。容姿と性格が完全に一致して凄まじく可愛いんだけどっ!  ま、まぁ?信じてやるのも悪くないかも知れないな。決して邪な考えなんて芽生えてないんだからねっ! 「しょ、しょうがないなぁ」 「良かったぁー!こんなこと話せる人なんて奈那くらいだから…」  最後の方は上手く聞き取れなかったけど、喜んでいるようなので信じて良かったと思う。 「それで、どうしてそうなったの?」 「わからないよー。お手洗いに行って鏡を見たらこうなってたの」  口調までも変わるんだなぁ。
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