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「22…歳……ってあ…と、5年後じゃ…」
震える茉奈を見つめ、苦しそうに顔を歪めている平原がそっと頷く。
「牧野、これは一生を変えてしまう選択だよ。慎重に選んでね」
「……一生の選択」
茉奈は交互に二枚のプリントを見比べた。
一度きりの人生、楽しまないと損だよね
「私は短いけど楽しい人生がいい!」
茉奈の言葉に迷いはなかった。それを聞き平原は切なそうに瞳を閉じた
「わかった。でもこれだけは覚えておいて、メリットがあればデメリットもある。必ずね。幸せはその人次第で決まると言うことも。」
「うん?」
いまいち平原の言葉が理解出来ず困惑する
「さあ、行っておいで」
平原の指差す先には白い光に包まれた大きな扉があった。
「君は今日から違う人生を歩むんだ。」
平原の言葉に導かれるように扉へ一歩、また一歩と歩みを進め扉をくぐる茉奈。
扉の中に入ると光で包まれており、何も見えない。ふっと振り返ると扉が閉まりかけている。その先に一瞬翼の生えた平原がいるようにも見えた気がした。
バタン――――……
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