運命の選択

4/4
前へ
/11ページ
次へ
「22…歳……ってあ…と、5年後じゃ…」 震える茉奈を見つめ、苦しそうに顔を歪めている平原がそっと頷く。 「牧野、これは一生を変えてしまう選択だよ。慎重に選んでね」 「……一生の選択」 茉奈は交互に二枚のプリントを見比べた。 一度きりの人生、楽しまないと損だよね 「私は短いけど楽しい人生がいい!」 茉奈の言葉に迷いはなかった。それを聞き平原は切なそうに瞳を閉じた 「わかった。でもこれだけは覚えておいて、メリットがあればデメリットもある。必ずね。幸せはその人次第で決まると言うことも。」 「うん?」 いまいち平原の言葉が理解出来ず困惑する 「さあ、行っておいで」 平原の指差す先には白い光に包まれた大きな扉があった。 「君は今日から違う人生を歩むんだ。」 平原の言葉に導かれるように扉へ一歩、また一歩と歩みを進め扉をくぐる茉奈。 扉の中に入ると光で包まれており、何も見えない。ふっと振り返ると扉が閉まりかけている。その先に一瞬翼の生えた平原がいるようにも見えた気がした。 バタン――――……
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加