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黒く長い髪。痩せこけた身体。転校してきたばかりで新しいはずの制服には少しフケがついていた。
スカートから出ている木の枝ではないかと思ってしまうほど細い足には所々に痣がある。
そして顔は長い髪に隠れて全く見ることができなかった。
そんな姿を見たクラスのみんなが口を開けたまま彼女から目を離せないでいた。
「は~い、それではえ~と村中さん自己紹介を」
そう言って松長は村中と呼んだ彼女の方を見る。
しかし村中は何も言わず立っているだけだった。
そんな姿を見て松長は困った顔をしながら前を見て口を開いた。
「え~彼女は村中一子(いつこ)さんです。これからこのクラスの一員となりますので皆さん仲良くしてあげてください。」
そう言うと松長は俺の方を見た。いや俺というよりも俺の隣の席を見ている。
そう俺の隣の席は今誰も座っていない。
つまり転校生村中は俺の隣に座るということだ。
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