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松長はあの空いてる席に座って下さいと村中に言うと、村中は無言のまま歩き出した。
しかしその歩き方も不気味で、ゆらゆらと手をだらんとさせたまま、まるでホラー映画に出てくるお化けのような歩き方でこちらの方へ歩いてくる。
村中が席の横を通る度にクラスの一部がひそひそと何かを話している。
でも大体の想像はつく。
何あの子気持ち悪い。
虐待でもされてるのか?
うわぁあれ実は死んでんじゃね?てか幽霊なんじゃね?
そんなことを言ってるに違いない。
実際俺も口にはしないがそう思ってしまう。
ゆっくりと歩いてついに村中は俺の横にたどり着いた。
しかしなかなか座ろうとしない。
不思議に思い村中を見ると一瞬俺の方を見た。
そして僅かに髪の毛がふわっと浮き口元を見ることができた。
その時俺は思わずドキッとしてしまった。
少し鳥肌も立った。
なぜなら
笑っていたからだ。
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