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俺は里美だということが分かるとすぐに目を反らした。
「…別に怒ってねぇよ」
「そう?ならいいんだけど」
そう言って里美は右手の人差し指で俺の頬をつんつんと突っついてきた。
俺は多分今顔が一気に赤くなってるだろう。
凄く顔が暑い。
だって俺は…
「あぁ、またやってるよバカップル」
「ちょっと明日香ちゃん!そうやって茶化さないでって言ってるじゃん!
私たちはただの幼馴染みだよ」
そう俺たちはただの幼馴染み。
小さいときからの幼馴染み、いや正確に言えば生まれたときからの幼馴染みだ。
生まれた病院が同じで生まれた日は里美が2日だが先。
そして住んでいる家が隣同士ということもあって親同士の仲が良く、家族、姉弟のように育てられた。
だから正直恋の対象としては見れないと思っていた。
しかし俺は三年前から急に里美を意識するようになった。
これがどういった感情なのかは自分がよく分かってる。
それが日に日に大きくなってるのも分かる。
でもこのまま隠していたい。
今の関係が崩れないように。
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