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「起きろ純吾ー!」
突然、頭を鈍器で叩かれたような衝撃が走る。
「いっっっってーなー!!!!」
その衝撃で、すぐに夢から現実に引き戻されたのが分かった。
すっかりと覚醒した目で見上げると、俺の姉である久遠禊(クオンミソギ)が手刀の
手をして立っていた。
「叫んでる暇があったら準備しろ!遅刻するぞ!」
姉は、もう一発くらっとく?
みたいな顔で俺の方を見てくる。
「はいぃぃ!わかりましたー!!禊お姉さまー!」
急いでその場を離れて、支度を始めた。
俺、久遠純吾は今日から夢の学園生活を送ることになっている。
記憶を無くしてから2ヶ月。
身のまわりのことはできるけど、どうも自分が誰なのか分からない俺に、姉が何かの刺激になるかもと、学園に入ることを勧めてくれた。
そういえば、姉貴は車にひかれたのが原因で記憶喪失になったって言ってたな…
本当かどうかわからないけど…
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