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「えっと…、それにしても暑いですね!
春だって言うのに…、温暖化ですね…」
杏さん…貴女は昔からそうでしたね。
頭は良いし、運動もできるし、かわいいし、完璧なはずなのに…、大勢の前で話すことだけはいつになってもダメですね。
そういうギャップがまたかわいいとほざいていやがる男子生徒や、抱きしめてあげたいと言っている女子生徒もいるんですけどね。いや、全員か。
ただ二人、僕と隣で羊を数えている榊を除いて。
「榊よ、そんなことをしてもあの上擦った声の前には全てが無力だぞ。ほら、羊も疲れてぐったりしてるぞ」
榊は救いを求める目で僕に見てきた。
中学の時からそうやって僕を見てきたな、君は。
「助けてくれ、静司……、俺はもうだ限界だ…」
「何を言う?まだ20分だぞ。あと倍はあるぞ」
それを聞いた榊は動かなくなってしまった。口からエクトプラズムがでている気もするが、多分眠ることができたのだろう。よかったな。
さて、問題はここからだな。どうやってこの無意味な演説を終了までもっていくことができるか。頑張れ、会長。
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