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握りしめたまま窓に突き出した右手は、ガラスで傷ついて血を滴らせていた。
「俺は、絶対に間違ったことはしてねぇ」
怒りのあまり身体中が震える。
目を閉じて鼻から大きく息を吸い込んで腹に溜めると、少年はぎゅっと歯を食いしばってもう一度教師にむかって鋭い視線を向けた。
普段であれば生徒たちの賑々(にぎにぎ)しい声で溢れる廊下はしんと静まり、生徒たちは少年と教師の事の行く末を遠巻きに見守っていた。
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