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「悪魔の……?」
真琴は頭を捻って男の言葉を反芻する。
おそらく、凪紗から聞いたことのある『厨二病』という奴だろうか。
悪魔やら死神やら、邪気眼という謎の力を信じる人達と聞いたことがある。
つまりかなり痛々しい人のことだ。
しかし男は真琴がまだ納得していないと思ったのか、説明を始めた。
「つまり貴女様は私と契約したのです。私に立てられた誓いが破棄された場合、貴女様は私の望み通りにしなければなりません。言わば命を捧げるということですよ」
「ち、誓い?命を捧げるって……一体どういう」
「やはりお忘れなのですね」
男が真琴に近付く。
離れようにもまさか下着も穿かないまま抵抗するわけにもいけない。
すると男はしゃがんで真琴と目線をあわせて向き合った。
「12年前、貴女様は私に誓いを立てたではありませんか」
男の右手が真琴の額に触れる。
突如、雪崩れ込むように真琴が失った記憶が氾濫した。
目が回り平衡感覚が無くなる。
気を失うほどの嘔吐感。
「私と交わした約束、思い出して下さいまし」
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