転校生

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『11年前はこんな学校だったけ』       ヨナミ   少年は今、〔夜浪学園)と書かれた門の前に立っていた。 『職員室に行かないと。』 少年は職員室へと地図を見ながら行く。 そして職員室に着き戸を開けた。 すると20代くらいの女教師が話しかけて来た。 「あら、君は確か転校生の……ああ、あった。」 そう言うとデスクから3枚をホッチキスでまとめられた紙を取り出した。 「えっと名前は、深山 理斗(ミヤマ マサト)ね。クラスは2組ね。私、与貝 静(ヨガイ シズ)が担任だから、よろしくね!」 「よろしくお願いします。」 理人は小さく礼をした。 「じゃあ行きましょうか。付いて来て」 教室。 生徒達の賑やかな声が、廊下まで響き渡っている。 「おはよう!野道!」 黒髪の茶色い目の活発そうな少年が、机に倒れている少女に話し掛けた。 「おはよ~…宇敷…じゃっ寝る。おやすみ…」 そう言い再び寝ようとする少女は、紫色の短髪で緑色の目をしている。 「おい起きろよ!今日俺らのクラスに転校生来るらしいんだよ!」 宇敷は慌ただしく興奮した面持ちで言う。学生によくある転校生が来るということに期待している。 「へー…じゃっ寝る」 野道はスルーし再び寝に入る。野道にとっては興味の無いことだったわけではなく、その興味より睡魔が勝ってしまったのだ ドアが開かれると、与貝先生が教室に入って来た。 「みんな、席について、転校生を紹介します。ほら入って。」 廊下から少年が入って来た。 「じゃあ自己紹介して」 「深山 理人です。よろしく」 理人は無表情のままだった。声に感情がこもっていない、簡単にいうならば棒読みだ。 そんな少年に教室は少しざわめいたものの、すぐに静まり返った。 「えーと、彼女の隣のあの席を使って」 理人は窓側の前から4番目の席に座った。 「HR始めます」 理人の左隣の席にはいまだに寝ている、野道が居た。 そして理人も眠りについた。
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