殺人

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―――街が太陽を失い、街頭や電灯が街を照らす時間。 人々の数もまばらになり、昼の間の様な活気がなくなった頃。2つの黒い影が迷路のようなビルの間を走っていた。 片方は、サバイバルナイフを持っている大柄な男。しかし顔は、マスクのようなもので隠れ顔つきや表情は分からない。 そして、手に持っている大きなサバイバルナイフには、赤黒い血がついていた。 そして、もう片方の影は、細身で少し高身めの身長の高校生くらいの青年。目のあたりまで伸びた黒い髪が印象的で、膝のあたりまでの長めの黒いコートに黒い制服のようなズボンをはいている。そして肩には、野球のバットが入っているような、細長い筒状の入れ物を2本かけている。 パッと見て、立場は逆に見えるようだが、青年が大柄の男を追いかけている。 大柄の男は、右へ左へと街の路地を使い走るが、青年も男を追いかけ、走っていた。 そして路地の奥深くで、壁になりこれ以上前に進めなくなったとき、男は足を止めた。それと同じように青年も足を止めて、男のほうを見ていると、男は振り返り青年にむけてナイフを握った。
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