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淡い童話かおとぎ話にでも出てきそうな、美しい城の形をした建物の中を、男は非常に緊張しながら案内していた。
施設管理責任者という一応はここではトップであっても、相手がこの星最高の大予言者である賢者ワイズ、その人だったのだから、それはやむを得なかった。
「ここでは『終わりの時』を迎える為に恋愛や仕事、趣味に最期の選択をした者達の代わりに育児を代行しております」
磨きぬかれた階段を、老齢である賢者に合わせて慎重に1段1段降りる。
「『終わりの時』のことを子供達にはどう説明しているのでしょうか」
大賢者の側近である女性が傍らから尋ねた。
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