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「僕のお母さんもお父さんも“終わりの時”が来ることを感じて、怖がって自殺しちゃったんだって。お腹の中にいた僕だけが助かって…!」
(あのー大量自殺者の中にいたの…)
インブレイスは口を両手で覆った。
それは今世紀最大の痛ましい悲惨な事件だった。
まだ一般の人が滅びの予知を感じ始めるよりずっと前、抜きんでて優れた能力者達だけが感じてしまい、恐怖に耐えきれずに自殺や犯罪に走り始めた。
そんな中起きた大量集団自殺。不安を募らせた人々が集い、滅びの未来からの逃避をはかったのだ。
国はこの事件を重くみて、以後早急に現在のような制度を整えた。
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