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少女は不思議に思い、目を開けようとしたが。
「――――目を閉じたままでいろ。貴様にこの現実を直視出来るとは到底思えん」
その声は台詞に似合わず高い声だった。まるで声変わり前の少年のようなその声に、少女は敵か味方かはっきりしないまま彼の言う通りに目を瞑ったまま首を縦に振った。
「――それでいい。じっとしてろ」
その声と同時に、何かが浄化していくような、奇妙な音が聞こえ、すぐにやんだ。
少女はそれをこの目で見たいと思ったが、「見るのはいいが、覚悟が必要だ」とまるで自分の考えが伝わっているかのように阻止された。
少しすると、少年がもういいぞ、と言ったとほぼ同時に少女は目を開けた。
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