⑮私、頑張ります

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入社日、雫は社長の部屋に呼ばれて、何故だか俺、そしてリサも付き添いで呼ばれた。 「雫ちゃんが持ってる図鑑にも載ってない植物と、これからたくさん出逢えるからね。楽しみだね」 「はい。私、頑張ります」 エロい顔した社長。 気安く、近寄るなハゲ! 「永居。当分はおまえを付けるから、頼むぞ」 「はいはい」 リサはワザと咳払いをする。 「はい、分かりました」 俺は、社長のハゲた頭を見つめる。 「後は久我山くんに雫ちゃんの事は頼んであるから、安心しなさい。今日はとりあえず雫ちゃんには、久我山くんに会社内を案内して貰って、午後からのメンテ作業に彼女を同行させて、基本的な事をおまえが教えてやってくれ」 「はい、分かりました」 と、真面目にまた社長のハゲた頭一点を俺は見つめる。 「じゃあ、雫ちゃん。お庭見て周りましょうか」 「うん♪行ってきます」 リサと雫は社長室から出て行くから、俺も出ようとすると、 「永居、待ちなさい」 止められた。 あぁん?何だよ。 「申し訳ないが、久我山くんから話は聞いた。素性が確かではない分、やはりこっちも細かい部分は把握しておかなければ、フォローも出来んからな」 「ありがとうございます。充分感謝してます」 「彼女は日雇いのアルバイトで、週に2日あたりで働いてもらうつもりだが、いいかね?」 「はい、申し分なしです」 「うちの社内で、おまえ程口の悪い奴はいないとは思うが野郎ばかりだ。何かあったら必ずわたしか誰かに報告しなさい」 「そりゃ、どうも。何から何まで、すいませんねぇ」 「いいか、永居。嫌な顔せず、優しく教えてやるんだぞ」 「はいはい」 俺は、頭を下げて社長室から出て行った。 俺は雫には、優しいに決まってんだろ。 誰かに何か言われたら、そんな奴は俺が呼び出して、こてんぱんに説教してやる。 優司は俺を待っていたようで、 「いくぞ、好人っ」 「おう、ってまたおまえと同じか」 「これから、お楽しみが益々増えますな☆」 優司は俺の肩に腕を回した。 はぁ~あ。 また、色々聞き出される。
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