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入社日、雫は社長の部屋に呼ばれて、何故だか俺、そしてリサも付き添いで呼ばれた。
「雫ちゃんが持ってる図鑑にも載ってない植物と、これからたくさん出逢えるからね。楽しみだね」
「はい。私、頑張ります」
エロい顔した社長。
気安く、近寄るなハゲ!
「永居。当分はおまえを付けるから、頼むぞ」
「はいはい」
リサはワザと咳払いをする。
「はい、分かりました」
俺は、社長のハゲた頭を見つめる。
「後は久我山くんに雫ちゃんの事は頼んであるから、安心しなさい。今日はとりあえず雫ちゃんには、久我山くんに会社内を案内して貰って、午後からのメンテ作業に彼女を同行させて、基本的な事をおまえが教えてやってくれ」
「はい、分かりました」
と、真面目にまた社長のハゲた頭一点を俺は見つめる。
「じゃあ、雫ちゃん。お庭見て周りましょうか」
「うん♪行ってきます」
リサと雫は社長室から出て行くから、俺も出ようとすると、
「永居、待ちなさい」
止められた。
あぁん?何だよ。
「申し訳ないが、久我山くんから話は聞いた。素性が確かではない分、やはりこっちも細かい部分は把握しておかなければ、フォローも出来んからな」
「ありがとうございます。充分感謝してます」
「彼女は日雇いのアルバイトで、週に2日あたりで働いてもらうつもりだが、いいかね?」
「はい、申し分なしです」
「うちの社内で、おまえ程口の悪い奴はいないとは思うが野郎ばかりだ。何かあったら必ずわたしか誰かに報告しなさい」
「そりゃ、どうも。何から何まで、すいませんねぇ」
「いいか、永居。嫌な顔せず、優しく教えてやるんだぞ」
「はいはい」
俺は、頭を下げて社長室から出て行った。
俺は雫には、優しいに決まってんだろ。
誰かに何か言われたら、そんな奴は俺が呼び出して、こてんぱんに説教してやる。
優司は俺を待っていたようで、
「いくぞ、好人っ」
「おう、ってまたおまえと同じか」
「これから、お楽しみが益々増えますな☆」
優司は俺の肩に腕を回した。
はぁ~あ。
また、色々聞き出される。
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