⑮私、頑張ります

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上から順に葉を落としながらハサミで剪定をする。 そして、夕日に照らされた青々とした黒松が現れる。 「キレイ…」 雫は見上げて、声を出した。 「病気になってないか、様子をみながら手間をかけて手入れして、さっぱりさせてやる。いい仕事してんだろ?俺」 「うん、好人カッコいいね☆」 当たり前だ。 松並木さんは、雫にお菓子をくれた。 「女の子なのに。頑張るんだよ」 「はい。私、頑張ります!」 後片付けをして、雫と帰る。 会社に戻ると、リサが迎えに来てくれた。 雫の髪に付いた松の葉を取りながら、 「お疲れ様、雫ちゃん」 「リサさん、お菓子ゲットした」 「よかったわね」 雫は嬉しそうだった。 リサは俺と目を合わせて安心した様子で笑うから、俺は雫を見つめた。 その夜はさすがに雫は疲れて、いびきをかいて、ヨダレまで垂らして眠ってしまった。 ヨダレを拭き取り、雫の寝顔を見つめる。 今日はよく頑張ったな。 俺はおまえが大好きだよ。 静かにキスをして、俺も眠りについた。
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