⑯私、とっても楽しいよ

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「ジャジャーーン!」 休みの日、優司とリサは俺の家に集まった。 優司は色々食材を買い込み、俺の家に上がる。 「大きな声出すなよ、雫がビックリするだろ」 俺は、呆れ顔で優司の荷物を受け取る。 「グリル鍋持ってきたわ」 リサは鍋を片手に上がり込む。 雫は何事かと部屋の奥から玄関を覗く。 「雫ちゃん、はじめまして優司です」 優司は相変わらず、優しく挨拶をする。 「優司さん」 「リサです、よろしくね」 リサも同じように挨拶をする。 「リサさん」 雫は少しずつ思い出してきたのか、はしゃぎはじめる。 「何やらかす気?」 俺も相変わらずのモノの言い方をする。 「すき焼きだ」 「はぁ?」 「ヤッター!すき焼き食べたーい!☆」 雫は、ベッドの上で飛び跳ねる。 「こらっ、やめろ。埃が舞うだろ!」 「コンセントどこぉ~?」 優司は部屋のあちこちをウロつく。 「そこの、隅!」 「永居くん、まな板と包丁借りるわね」 リサは台所で食材を拡げる。 「……」 もう、グチャグチャだ。 頭をかかえながら、雫を見ると嬉しそうに喜んでいた。 今日は以前話していた雫の歓迎会。 本当にこんな事をしてくれるとは思わなくて、内心は俺も凄く嬉しい。 にぎやかな室内。 話し声は、優司が居る限り途切れる事がない。 笑い声も、時間が経つにつれて大きくなる。 「はい、これ」 リサは雫の器にすき焼きの具を入れる。 「熱いから、やけどしないようにね」 雫は息を一生懸命吹き掛ける。 「好人のは俺がとってやろうかしら?」 優司は笑かそうとしてるの見え見え。 「ほっとけ!」
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