⑯私、とっても楽しいよ

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「ねぇ、好人っ☆今日は、私とっても楽しいよ」 雫は言った。 優司もリサも嬉しそうな表情をしていた。 俺は雫の言葉に、見境いも付かずに抱き締めた。 「えっ、好人?」 「そっか、楽しいか…」 優司もリサも帰って、雫を先にベッドへ寝かせて、一息俺はベランダでタバコを吸う。 バカヤローだよ俺は。 あの時の自分の性欲に、登り詰めていたとは言え、あまりに無理矢理に雫を押さえ込み過ぎて、今になり後悔した。 アイツ、怖がって嫌がってたのに。 みっともない。 あれじゃ、まさしくレイプだ。 犯罪者だよ、犯罪者。 ごめんな、雫。 今日また、おまえの話を聞いて、俺はまたおまえが好きになった。 今まで色々、あったんだろうけど。 おまえは、今も何も知らないでいい。 どんどん忘れていけ。 俺がきちんと覚えとくから。 ただ、毎日いつも一緒に居る俺の存在は忘れないでくれよ。 タバコを消して、部屋に入る。 「……よひと……お肉たべる……」 雫の寝言か。 「まだ、おまえは食べるのか?」 柔らかな髪を撫でて、俺は雫の寝顔に安らぎを感じた。 電気を消して、ベッドに横になる。 ……好きな人と永く居られる…… 雫をもう一度見て、キスをした。 俺の名前を、そんなふうに気が付いて言うのは、おまえだけだよ。
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