⑰私、いつも守られてる

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実は雫の携帯電話は、親戚のおじさんの話では、今月で使えなくなる。 戸籍は一先ず、月読のばあさんの養女になっているのだか、相続だとかからは一切外れている。 俺は平日に休みを取り、雫と役所へ住民票を貰いついでに、住所変更の手続きをしに行った。 その帰りに、携帯電話を解約させて新たに俺が契約した携帯電話を持たせた。 「ネットはできねぇぞ、俺への電話とメールしかできない。分かったか?」 「えへへ☆」 俺だけの番号で、充分だ。 出会い系なんて、やられたら困るからな。 あっ、でも一応会社と優司とリサの番号は登録しとくかな。 「毎日一緒に居ても、おまえは約束はすぐ忘れちゃうだろ、だからメールでちくいち証拠残しといてやるからな。それに仕事してる以上はやっぱり持ってないと不便だからな」 「好人といつでも、もしもし今何してるぅ?だね☆」 「電話して、誰?って言ったら許さんぞ」 「言わないよぉーだ」 車で駅前を通る。 そう言えば…。 シルバーのアクセサリー専門店。 「ちょっと寄り道」 俺はやっぱり気になって、戻る。 駐車場に止めて、俺は雫を助手席から下ろす。 「よっこらしょ」 そして、手を繋いで店に入る。 案内表を見ると三階か。 ここか。 『オープン記念サービス。無料でお好きなメッセージ入れられます!』 会社のアイツ。 何だよ、名前に誕生日って無料だったから入れて貰っただけじゃん。 だっせーな。 雫と店内をうろつくと、すぐさま店員が寄って来た。 「彼女さんにプレゼントですか?」 「まぁ、そんなとこだな。ちょっと選ばせてもらうわ」 俺は雫の手を引っ張り選ばせる。 「あっ!……あっ!……あれ!」 雫は完全に目移りばかりして落ち着きがない。 「おまえは、どんな形が好きなんだ?」 「えっとね、えっとね……う~んとね、う~んとね……何だか分かんないけどね~……」 久しぶりに故障してるわ、こいつ。 「ごっついのは高いから予算オーバーだから選ぶなよ」 「好人、買ってくれるの?」 「そうだけど」 おい、今さら気が付くとは。 「じゃあね、ハートがいいな☆」 俺は店員を呼ぶ。
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