⑱私、ラブラブ

5/6

116人が本棚に入れています
本棚に追加
/156ページ
「雫、帰るぞ」 「うん」 「お疲れさん、永居!」 バカ息子の遠くから聞こえる声に、俺は当たり前のように完全無視だボケ。 「いいか、雫。さっきの野郎は変態だから気を付けろよ」 「そうなの?会社で二番目に偉い人なんだって教えてもらったよ」 アイツは自分でそう言ってんのか。 クソが付く程、大バカヤローだな。 「二番目に偉くても、アイツはなぁ女の尻や胸が大好きで、いつも事務所に居るんだ。アイツに近寄ると大変な事になるから、これからは絶対無視しろよ。いいな、分かったか?」 「えっ…、分かった」 雫はビク付きながら返事をした。 俺を晒し者にしたからには、どっかでたっぷり嫌な思いで返してやる。 紅葉のシーズンになると、優司がまた提案する。 みんなで紅葉狩りに行こうだとか、バーベキューやろうだとか、温泉に行こうだとか。 本当にイベント好きだよ、男の癖に。 リサも鍋パーティーしようだとか言うし。 「なぁ、雫。これから楽しみ満載だぞ。どうする?」 「私は好人と一緒なら何でもいいもん」 雫と俺は、二人で部屋に居る時はずっとこうして引っ付いたままだ。 後ろから、横から、前からだっていつも互いにバグしあって。 俺からだったり、雫からだったり。 何かもう、俺の方が雫が側に居てくれないとおかしくなるような気がする。 甘えてるのは、以外と俺か?
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

116人が本棚に入れています
本棚に追加